9月7日時点

何かとしんどい一週間だった。風邪もようやく治まってきて、少し鼻がぐずつく程度にはなった。体調が思わしくないと仕事と稽古のかけもちが一層こたえる。もう仕事やめたいやめたい。

ロッソがまだ不在なわけだが、それに伴って、稽古場に男が俺一人なことに今日気づいた。これが楽しいような、微妙につらいような感じである。いや、特に何がどうというわけではないのだけれど。吉本さんが焼いて持ってきたチーズケーキ的なものはおいしかったんだけど。ロッソは稽古場でほとんど口を開かないやつだが、それでもこちらの投げた無駄なボールのいくつかを、何がしかのやり方で受けとめてくれていたのかしらんと思わないでもない。出来れば戻ってほしいところだ。

伊藤整の『近代日本人の発想の諸形式』を読む。昭和前期までの日本の文士というのは、相当な被害者意識の中で生きていたようだ。個人的には、いま演劇人一般がおかれている状況が、この時代の貧乏文士のそれに重なって見える。世を呪うボヘミアン気取り。作品の享受者=同業者またはワナビー。求道自慢。お気の毒さま。