休日満喫

お昼すぎに大木が新宿で何かやらかすつもりだったらしいが、無事やらかしたのだろうか。『アンティゴネー』上演に向けての所信表明的なパフォーマンスだとか言っていた。ポリスに捕まったりしてないだろうな。

お前らも見にこいというメールが昨日回ってきたが、悪いけど行かなかった。家でずーっとDSやってた。主旨やら心意気やらに賛同できようが、あるいはできなかろうが、アジったりデモったりみたいな熱いのが苦手である。福島にはちゃんと行くし、上演にも協力するし、それでいいでしょ。

ていうかあいつ、なんか絶対アンティゴネーに変な感情移入してるだろ。自分がやってることを重ねたりしてるだろ。雲雀氏にもその気配が見える。冷静に考えればアンティゴネーが利己的な性悪女に過ぎないことはこないだ書いたが、彼女の行為がなにか犠牲的で気高いもの(風の谷のナウシカみてーな)に見えるのは、ひとえにソフォクレスの作劇の巧みさによるものである。まったく騙されてるんじゃないわよ。30女のヒロイン願望の片棒をかつぐのは御免こうむりたい。

別に、いついかなる時も醒めた意識でいるのが正しいと言いたいわけではない。正しくなくてもよい。ただもう何かを一途に思い込んだり、集団で盛り上がったりするのが生理的に嫌なだけ。クールなスタンス(恥)を取り続けた結果、かりに物事が悪い方向に転んだとしてもわしはかまわん! あした稽古場でまだ大木が頭にカッカ血を上らせているようなら、ぜひとも大量の冷水を浴びせかけてやろう。ざまあ見やがれ。

平常心でいようとして、つい熱くなってしまった。本末転倒っぽいな。桑原桑原。

 

追記

というか、結局は不特定多数の観客に向けて「私を見て!」をやることになるんじゃねーか、やらずにはいられなかったんじゃねーかと思い、そこが一番がっかりである。初志を貫いて我慢しろよ。これで福島行きはお忍びの旅ではなくなった。どう言い繕ったところで、ありふれた文化人のパフォーマンスに堕してしまった(世間様にとっては相変わらずどうでもいいことではあろうが)。ああ、俺みたいに口から先に生まれたような人間が言うことではないが、もっと鳥や獣や草木のように、つつましく、ただひたすら「今ここ」に寄り添って、人は生きられないものであろうか! 飛躍しすぎだ。

「ヨク隠レシハヨク生キシナリ」とデカルト先生も言うとるではないか。しかしその先生も、あれだけ膨大な書き物を世に残しているのである。ぜんぜん言行不一致。もう。