次回公演の詳細が決まった(?)

8月15日。稽古初日。

 
次の作品はたった一人の客のために上演することになった。いや、そう押し切られた。しかもその客というのが、目が見えない人、盲人だという。そのお方はどこのどちら様なの?と聞くと、まだ分からない、これから探すのだという。どういうことだ。日曜のミーティングでこれだけのことを告げられ、わけが分からず茫然としてしまったので、今日の稽古であらためて問いただした。
やはり分からないままだった。なぜ盲人のために演劇をやろうと思うのか、どこに必然性があるのか、尋ねると、とつとつと、しかし丁寧に説明してくれようとするのだが、まるで要領を得ない。福島がどうとか言ってたな。目の見えない人たちにあの災害や事故がどう受け止められたのか、とかなんとか。出たなフクシマ2011、めんどくせーと思ったが、とりあえずスルーしておいた。だいたいそれとうちの劇団の活動や、演目がアンティゴネーであることがどう関係するのか。個々の言い分については理解できるというか、なるほどと感じるところもないわけではないけれど、全体として話がうまくつながらない。飛躍だらけじゃないか。
というわけで、新主宰の陳述の内容にはまるで納得しなかったのだが、ただ、話している時の彼女の顔がマジであった。何かを思いつめたような表情をしている。こわい。せめてこっちを見てくれ。しかもこちらが何を言ってもまるで引かない。超かたくな。こういう状態の人間にへたに逆らうと、かえって面倒くさいことになりかねない。逆上してさらにとんでもない方向に突っ走っていくに決まっている。
そこで話題を変えて、お説のとおりの方針で公演をやる場合の実際上の問題点(予算、会場、「人探し」の方法など)をあれこれ指摘してみたが、その点については一任されたし、とあっさり言われてしまった。そう出られるともう返す言葉がない。なんとなく、じゃあもう今回はそんな感じでやってみてもいい、かもね…という流れになってしまった。
そのあと軽く台本の読み合わせをして解散。

 
もう面倒なので、主宰のやることに付き合ってみることにする。言うことが支離滅裂なんだけど、逆にすっきりとした理由を提示されたほうが乗り気にならなかったかもしれない。いや、今も乗り気というわけではないのだが。なんかロックバンドが活動再開後に音楽性をがらっと変えて、けっきょく鳴かず飛ばずでなしくずし的に解散…みたいなことになりそうな予感もする。いや、かなりの確率でそうなる。なったらなったでいいような気もする。どうせ一度終わった劇団なんだから。それに最近は客演の話もけっこう切れ目なくいただけるようになったし、フリーでやってくのも別に悪くないか…というね。うはは。

 

家の近くの喫茶店で晩飯。喫茶店のくせに定食も出すタイプの店で、ここのチーズとんかつ定食が絶品なのだ。