なかなか大変ですよ

昨日からようやく本格的に稽古がスタートした感じ。話し合いに終始することなく(これは主に僕のせい)、人も全員揃っている。

台本を持ちながら立ち稽古をすることになったが、なかなか難しい。どんな立ち方、発声、身振りでやるのがしっくりくるのか。現代口語中心の会話劇とは勝手が違う。一つ一つの台詞も長いし、相手がしゃべっている間、どういう顔して聞いていればいいのだろう。現代劇ではあり得ない待ち時間だ。屹立して朗々と長台詞を唱えるみたいな、それっぽい感じにしとけばいいのかしら。でも、演出の意図はたぶんちょっと違うのだろうなあ。まだ具体的な指示はない。

オーディションを受けて入ってきた新団員の女の子がいる。イスメネの役をやるのだが、新劇出身らしく、若いけれどさすがに慣れている感じ。動きにも台詞回しにも無理なところがない。迷いがない。残り3人のぎこちなさとは対照的だ。今回は彼女に合わせるのがいいんだろうか…?

クレオンの役づくりについてもまだまだ悩み中。劇の発端となるあの意地悪なおふれを出した動機はなんなのか。というか、クレオンという人物の馬鹿さ加減をどのあたりに設定したら一番おもしろいのかしら。自分がやったことの是非も予想される影響もまるで見えていない思い込みが激しいだけの男なのか、全部を折り込んだうえでの「あえて」の抑圧者ぶりなのか。クレオンの造形いかんによって作品全体のふくらみや、彼に対置されるアンティゴネーの見え方も変わってくるだろうし、慎重に考えないとなあ。

盲人のための演劇うんぬん以前に、いろいろと課題があるようだ。